愛用しているもの:ベークライト、マッチ、軍用タープとスコップ

お題スロットを回してみました。

お題「愛用しているもの」

 

 まず、ぱっと思い浮かんだのは「妻」です。ものじゃないですね。でも自分の愛する人に物的なフェティシズムを感じることを完全否定することはできるのでしょうか。髪の毛の艶が好きだとか、手の形が好き、スタイルがとか、鼻筋がとかいろいろあると思います。ただ、愛用の「用」となると、ちょっと語弊がありますね。

 

ぐたぐたはそれくらいにしておいて、永らく我が家で愛用されてきたのは、なんといっても実家にあったベークライト製のフロ桶でしょう。昭和の20年頃から、平成の半ばすぎまでありました。50年以上はフロにあったらしい。

ベークライトとは、

ja.wikipedia.org

 

 リンク先にあるように、耐熱性に優れ、ちょっとやそっとでは壊れない樹脂です。昔だと、電球の黒いソケットなんかに使われていた覚えがあります。我が家にあったフロ桶は、粗い布を芯にしてその周りにベークライトで囲ったものでした。ともかく小学生が上に乗っても、投げつけてもまったく壊れませんでしたね。特に買い換えの必要もなく、そのまま使われてました。最後の最後には、さすがに少しだけヒビがはいっていたような、それでも形は完全に維持してました。愛用というより耐用ですかね。

 ただ自分の小学生や中学生の頃の思い出と強く結びついていて、風呂場に行くとかならずそれがある。無いと少しさみしいですね。ヒビがはいってからしばらくは野外の流しの下に埃まみれになって置かれており、2,3年したら、見かけなくなっていた。

 ベークライトのフロ桶といった珍しいものがなぜ我が家にあったかというと、戦争後の混乱期に、都市部にあったベークライト工場が一時的に我が町に越してきて、都市部が落ち着くまでの4,5年の間、操業していたことに起因するようです。普段は、電球のソケットだの機械の外装だの、電気製品用の板を作っていて、操業の合間に日常的な品物を試作、販売しており、それを買ったようなことを聞きました。それまで工場らしい工場などない田舎なので、現金収入を得られる工場は憧れの的だったらしい。同じような話は、マッチ工場でも聞いたことがあります。戦後の混乱期にマッチ工場ができて、たいそう儲かった。その後、ガス台にマッチが不必要になり、ライターが一般化してくるとマッチが売れなくなる。そこでマッチ工場から下駄工場になり、その後は単なる貸倉庫になった。この建物も平成の半ばまでは確実にありました。いまどうなってるんですかね。

 普段使いの日常の品物で、50年以上のものはこのフロ桶が一番に思い浮かびます。他にも祖父が徴兵先の日本帝国陸軍の部隊から持ち帰った軍用スコップと軍用タープ(いまでいうところの)は、7,8年前まで農作業や庭仕事に普通に使ってましたね。スコップにはなぜか小さな穴が空いていて、何に使うのか尋ねると、「鉄条網や針金を切るため」と教えてもらった覚えがあります。でもこれは、水抜きの穴のような気もしてました。さすがにスコップは持ち手が折れる、タープは端から劣化してボロボロになって捨てられたかな。軍用品は丈夫ですね。

愛用から丈夫なものの話になりました。